「背信の都」
ジェイムズ・エルロイ 著 ★★★ 文藝春秋
久しぶりのジェイムズ・エルロイ、やっぱり難解だった。 根底に流れる壮大なミステリーに気付くのは終盤になってから。それまでは場面展開の速さについていくのがやっとで、どこがどうなっているのか、どことこがどう繋がるのか、それを探しながら手探り状態で読み進んでいく。話の大筋が見えてきてからも、断片的に描かれた挿話の辻褄合わに必死。やっぱり、しっくりこない。読み終えた後も、余韻というよりは、消化不良のもやもやとした感がぬぐえなかった。
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