「ソーネチカ」
リュドミラ・ウリツカヤ 著 ★★ 新潮クレスト・ブック
一月に入ってから、同じ著者の「緑の天幕」を読んでいたが、図書館の返却期限内で読み切れなくて、一旦返すことにした。おもしろいのか、どうなんだか、よくわからない本だった。長編ではよくあるパターン、じっくり読んで味がでてくる、そんな気がして、もう一度読み直すことにした。この際、作者の作品をいくつか読んでみようと思って、手に取ったのがこの作品。 フランスで最も権威のある文学賞の一つである「メディシス賞」をとったとのことだが、自分的にはなんともピンとこない小説であった。ソ連時代の世相は、女性の視点からの、なんとなく伝わってくる。しかし、主人公の女性の数奇な一生を描いたわりには、抑揚が無いというか、淡々と描かれ過ぎていて、物語としての醍醐味に欠ける。
「ソーネチカ」 |