「ビヨンド・リスク」
ニコラス・オコネル 著 ★★★★★ 山と渓谷社
1996年に初版が出ている。 山の世界は「登ってなんぼ」。 その「なんぼ」が桁外れに凄い人たちのクライマー列伝。 世界のトップクライマー17人がインタビューを通して登山とクライミングへの想いを語る。 グレッグ・チャイルドの序文と、「はじめに」と題されたプロローグが現代登山と17人のクライマー達の理解に役立っている。 なによりこの本のすぐれているところはクライマー達の生の声を載せているという点だ。インタビュアーとして著者であるニコラス・オコネルは、クライマー一人ひとりの歩んできた山屋としての人生と生き方、その思想をうまく引き出すことに成功している。実績のあるクライマーの一言一言は飾り気がなく、実に生き生きとしていて、私たちの心に響いてくる。 決して彼らのような領域には入り込めないが、その考えに浸ることが自分の山への動機付けを高めてくれる。 手近なところに置いといて、いつでも何べんでも読んでみたい一冊だ。
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