「ヨーロッパ最終戦争」

ラリー・ボンド 著 ★★ 文春文庫

第三次世界大戦が起こるとしたら、それはどこからか。フランスとドイツが手を組み欧州連合を結成しようとする。それも強引に。自らしかけたシナリオで事件を起こし、それに対して軍事介入することで覇権を示そうとする。戦争勃発の裏側にはよくある話だが、本著では、そのプロセスを細かくシュミレーションしている。だが、一つ一つのモチーフが強引というか、あまりにもありそうにもない話なので、やや白けてしまう。随所に見られる戦闘シーンも、ステレオタイプに描かれている。シュミレーションに徹した作品として割り切って読めばそうなのかもしれないが、小説としての面白みはない。

「ヨーロッパ最終戦争」

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