「珍妃の井戸」

浅田次郎 著 ★★★ 講談社

再読。「蒼穹の昴」の続編というよりはスピンオフ的な作品。珍妃は、清朝の皇帝光緒帝の妃の一人。義和団の乱の最中、紫禁城内の井戸の中で死んでいるのが発見された。その事件が列強の間で大問題とされ、真相を突き止めるべく調査団が結成される。妃とは正室ではなく側室のことで、側室が殺されたことがなぜ列強にとってそんなに驚くべき事件なのか、まずそのことに躓いてしまった。それでも物語は進んでいく。時代の立役者たちが証人として登場するが、一つとして同じ話はない。はたして、真相はどうなのか。

「珍妃の井戸」

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