「通訳ダニエル・シュタイン 」

リュドミラ・ウリツカヤ 著 ★★★ 新潮クレスト・ブック

実在したポーランドで生まれイスラエルに移り住んだユダヤ人のカトリック神父をモデルとした作品。イスラエルにはユダヤ教、ロシア正教、キリスト教、イスラム教が混在しているらしい。「イスラエルのユダヤ人カトリック神父」にはいささかビックリ。イスラエルはユダヤ人の国で、当然彼らの生活基盤はユダヤ教にあるとばかり思っていたからだ。中東、東欧には世紀が始まる以前から現在に至るまで流浪の生活を強いられてきた人々は少なくない。そんな人たちの一面を切り取り、宗教や人種、国家を超えた普遍のものを、うまく表現できないのがもどかしい、主人公とその関わりのある人々との交流を通して描こうとしている。

「通訳ダニエル・シュタイン 」

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