「緑衣の女」

アーナルデユル・インドリダソン 著 ★★★★★ 東京創元社

アーナルデユル・インドリダソン、二冊目。 先に読んだ「湿地」よりも読後の印象が深い。 「湿地」では人物があまり書き込まれていなかったのに対して、今回の「緑衣の女」では人が十二分に書き込まれ、作り上げられている。その分、面白さに厚みが増したのだろう。 地中から出てきた白骨死体から遡る悲しい家族の物語。ミステリーを通して重厚な人間ドラマを描くのがアーナルデユル・インドリダソンはとてもうまい。前作同様、事件の根幹をなすモチーフの設定が秀逸。解決した後の余韻がひたひたと残る作品だ。

「緑衣の女」アーナルデユル・インドリダソン 著 ★★★★★ 東京創元社

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