「鳳雛の夢」
上田秀人 著 ★★ 光文社
「家康」繋がりから、伊達政宗へ。 家康の晩年は伊達政宗との交わりを抜きにして語れない。 家康と政宗との関係は、信長と秀吉、秀吉と家康、そのどちらに近いものだったのだろうか。どうもそのどちらにも似ていないようだ。家康が夢見た万民泰平の国造りの最終仕上に政宗というピースがぴたりと当てはまる。信長、秀吉、家康それぞれにそれぞれの役目があり、政宗にも彼にしかできない役割があった。時代が求める人物がその都度現れてくるというのはなんと摩訶不思議なことなのだろう。 ただ、この作品に関しては政宗の人生をやや端折りすぎた感がある。
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