「海峡」
井上靖 著 ★★ 井上靖全集 新潮社
ネット上の書評はそんなに低くはないのだが、自分的にはいまいちの作品であった。 おそらくこの小説は会話が主題を成していると思うのだが、それがそんなにも大した意味合いをもつわけでもない。 唯一興味深いのは会話の口調が時代を反映しているということくらい。この作品が書かれたころのラジオ番組や映画はみんなこんなセリフまわしだったのだろう。 それが懐かしさと古さを感じさせる。時代がその作品を生むことは間違いがないが、この作品にはそれ以上のもが感じられなかった。
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