「キル・リスト」

フレデリック・フォーサイス 著 ★★★ 角川書店

1938年生まれのフォーサイス先生は今も精力的に新作を出し続けている。常に最先端の話題を提供し目立たなければ気がすまないようだ。 西欧世界に基盤を置くイスラム教徒が組織とは無関係に行うテロが現実に起こっている。これを『ホームグロウン・テロリズム』というのだそうだ。本作品では、ネット上の「説教者」の呼びかけにより一市民が変質してテロに及んでしまう。その「説教者」を「追跡者」が狩っていくという設定。おまけにソマリア海賊の真実も添えられていて、おもしろさてんこ盛り。 物語の中で大活躍するのが無人偵察機。これが悪者を追って縦横無尽に飛び回る。なんでもかんでも空からお見通し。これでは、いとも簡単に事件が解決してしまう。もうちょっと、はらはらどきどきの展開が欲しかった。

「キル・リスト」

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