「百器徒然袋 風」

京極夏彦 著 ★★ 講談社 

探偵、榎木津礼二郎が絡む中篇小説三篇。 それぞれ、招き猫、鏡、お面がモチーフとなっている。いつものごとく妙ちくりんなやり方で榎木津が事件を解決していく。彼の子分のような脇役が登場するが、これがまた、見ていてかわいそうなくらいに榎木津に感化、翻弄される。それはそれで面白く、おかしいのだが、冗長にすぎる印象を与えた。京極堂はこういったウイットに富んだ作風も好きなのだが、どちらかと言えばホラータッチの方への期待感が強い。

「百器徒然袋 風」

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