「櫂」

宮尾登美子 著 ★★★★★ 新潮文庫

第9回太宰治賞(昭和47年) 高知の言葉と富山弁とが似ている様に感じるのは私だけだろうか。前々からそう思っていたのだが、この本でやっぱりとうなずくのであった。 和文というのがあるのなら、宮尾登美子の文章はまさしくそれだ。読んでいてまず心が落ち着く。見たまま、思ったまま素直な気持ちで書いている。始まりの心和むような話からは予想もできない結末。途中で「なんとかしてやってくれ」と願うことしきり。

「櫂」

Loading