「ネアンデルタール」
ジョン・ダーントン 著 ★★★ ソニー・マガジンズ
古代史からぷつりと消えてしまったネアンデルタール人の痕跡を解き明かせて見せる冒険小説。ウオルト・ベッカーの『リンク』と同じ主題だが、こちらの方がはるかにおもしろい。さすがピュリッツァー賞を受賞した著者だけのことはある。はるか昔、ネアンデルタール人はそれから進化した現人類の祖先との接触から次第に数を減らして行き、また生息の場を追われて次第に奥地へと追いやられてしまった。その子孫が今もなお人跡未踏の山奥に生きながらえている。彼らの消息を求めてヒマラヤに向かう主人公たち。謎解きのミステリー仕立ても申し分なく、質の高い作品に仕上がった。
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