「時のみぞ知る」クリフトン年代記 第一部
ジェフリー・アーチャー 著 ★★★ 新潮文庫
ジェフリー・アーチャーはやっぱり面白い。 相変わらずツボを心得たストーリー展開にみいってしまう。テンポのよさにあれよあれよと引き込まれてしまう。と同時にいつの間にか自分の頭の中で物語を「組み立てながら」読んでる。人物の作り方も実にうまい。物語が進むうちに自然と登場人物が形作られていく。「まさか本当にそうなるのか」という場面もあるが、反面その次に来る物語に期待してしまう。そして、ジェフリー・アーチャーはそれを外さない。 方や富豪の生れ、そして方や貧乏を絵にかいたような家庭、しかも、二人は同じ父親を持つかもしれないという古典的な設定。そんなエマとハリーの波瀾万丈の青春ストーリー。だが、ジェフリー・アーチャーは両家族と彼らを取り巻く社会的背景の綾を見事に織り込んで壮大な人間ドラマに仕上げている。
「時のみぞ知る」 |