「サイエンス寄席」

田中清三 著 ★★★ 幻冬舎ルネッサンス

数学的考えの指南書。 なのだが、前半、その語り部となる主人公がコテコテの富山弁を話す。ただそれだけが理由で、本書を手にとった。とすれば、著者は富山に縁のある人物かと思って、巻末に記載の著書紹介を覗いてみたら、そうでもない感じ。だが、ネイティヴ顔負けの富山弁であることは間違いない。 落語でいうお師匠さんみたいな主人公が、最初は身近なものを例にとって、算数をひも解いてくれる。だが、この手の本によくあるように、だんだんその例えが高度なものになっていき、しまいには、ついていけなくなる。まぁ、字面だけを追うのが精いっぱい。 それにしても、趣味の延長みたいな、こういう類の本は、いったいどれくらい売れるものだろうか。と、いらぬことを考えてしまう。

「サイエンス寄席」

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