「竹島」

門井慶喜 著 ★★★★ 実業之日本社

なんとまぁストレートな題名だ。 どうせ話題に乗じた紋切調の薄っぺらな内容の本だと思っていたら、これがまた、おもしろかった。 件の事件がなかったならば、それほど興味を示さなかっただろう「竹島」。 韓国に加えて中国との微妙な外交戦を軽妙なタッチで描いている。まるで、落語の小噺や講談を聴いているかのような心地よさ。テンポの良さは最初から最後まで続く。 一発触発の緊張感のある難しいホットな題材を、コミカルでハートウォーミングなサスペンスを通して、やさしく説いてくれている。「領土とは言葉だ」なるほど、よいお勉強になった。 うむ、門井慶喜、なかなかやるな、気になる存在だ。

「竹島」

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