「旋舞の千年都市」

イアン・マクドナルド 著 ★★ 東京創元社

近未来のイスタンブルを舞台にした物語。 大変読みづらく、なかなか話が見えてこないのは、いっぱい出てくるトルコ人の名前になじめないのと、トルコの風習とイスタンブルの歴史が全くわかってないからだと思う。 冒頭からのSF的な入り方には先を期待させる予兆があったのだが、物語の核をなすいくつかの挿話を繋いで取り囲んでいる「イスタンブル」の物語が壮大で、混沌としすぎていて、なかなかその世界に入りこめなかった。頭で理解しようとしているからだと思うが、邦訳ものとしては文章を楽しむということも難しく、話の筋だけが生命線なのに、それについていけないとなると、やっぱりおもしろくない。 ボリュームも相当あり、何度も何度もウトウトしながら、なんとか読み終えたというのが本当のところ。 ただ、イスタンブルが持つざわざわとした混沌と鼓動は感じ取れたと思う。

「旋舞の千年都市」

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