「パンダの親指」

スティーヴン・ジェイ・グールド 著 ★★★ 早川書房

パンダの手?足?の指は6本あるのだそうだ。その6本目の親指にみえる指というのが、実は手首の骨の一部が変化してできたもの。ササの葉っぱを掴んでそれをうまく口に運べるよう、“親指”の周辺には筋肉が発達している。 これをわかりやすく解説するものとして、「その骨は主食たるササを食べるために少しずつ(漸進的)に進化してきて、現在の形になった」、というのがある。 だが、本当にそれでいいのだろうか。グールドは疑問を呈す。 ダーウインが「種の起源」を発表したのが1859年。自分的には随分昔のことだと思っていたが、実際はまだ150年くらいしかたっていない。進化論はすでに確立されたもの思っていたが、実際はそうではないようだ。 本書はダーウイン以降所説飛び交う進化論を再考するヒントを与えてくれる。

「パンダの親指」

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