山ノ神尾根 1850まで 2013/5/4

やる気満々、体調もよし、天気も後押し、今日が宿願の山ノ神尾根制覇の日となるはずだったのに・・・。大晦日に過去3度挑戦して、敗退し続けてきたこの尾根。冬はやっぱり無理とあきらめ、春ならば、と狙っていたのだった。 取り付きの標高が1000、尾根を抜けたところが2150。3~4時間で抜けられるはず。そう思って取り付いた。

小又橋からは林道を行く。心配していたほどの斜面の危険は感じなかった。尾根の末端でアイゼンを装着し真正面から取り付いた。1024の丸山に出るまでは雪が切れ切れでしょわしない。1024からは雪がベッタリ、熊の足跡に導かれるようにして上を目指す。 1320を過ぎ、なんなく1420に到着。ここまで1時間20分、自分としてはまぁまぁのペース。主稜線まであと600、あと2時間もあれば余裕だろうと思っていた。 だが、ここで一本取って、動き出してから、変な胸騒ぎ。文字通りいつもの心臓の暴走が始まった。そこで、ペースを抑え、カメカメ大作戦に出る。だましだまし1700まで。280登るのに1時間。小又橋を出るときに飲んで来たが、再度シベノールを投入。歩いてるうちに効いてくるだろうとの腹づもり。しかし、1820までの120が1時間。そのあと30メートル行くのに20分。この間、動くたびに虚血状態になる、全身に力が入らず、気が遠のいていくような感じ。息を整えるというよりも、動悸が収まるのを待つ。そして、あの引きずり込まれるような恐怖感。なんでこうなるの?ここで打ち切ることにした。 シベノールが効かないのならワソランでも。気休めかもしれないが、一錠飲んで下りにかかる。下ってみてびっくり、こんなにもダケカンバが多い尾根だったのか。登っているときはほうほうのていで、まわりを眺める余裕などさらさらなかったのだ。こうしてみると、とてもよい尾根だ。何度登っても飽きの来ない山があるが、この尾根もその一つ。 1320からは左のルンゼを拾って一ノ谷に出て、コット谷に降り立った。

登り:小又橋から山ノ神尾根末端まで1時間10分、1850のジャンクションまで3時間20分  下り:1850から山ノ神尾根正面のコット谷まで1時間15分、小又橋まで1時間 今こうして記録を書いていてもなんともない。体は普通の状態に戻っている。もしかしたら、下る直前に飲んだワソランが効いているのかもしれない。美酒とはいかなかったが、風呂に入ってほろ苦いビールを飲むことにしよう。

山ノ神尾根 1850まで 2013/5/4

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