「ジウ 機徑静津也 著 ★★★ 中公文庫

投稿日時 2021-2-22 10:42:12 | トピック: 本棚

刑事ものは物語に厚みを持たせるため警察組織の描写が避けられない面がある。この作品もその例外ではない。そうなると登場人物が多くなりがちで、はて?どんな部署だったっけ、とか、上下関係はどうなっていたか、など自分の中で構築するのに時間がかかる。終盤ではそんなことはどうでもよくなっていくのだが、序盤から中盤にかけて、読み進むのに苦労する。

誉田哲也はその避けて通れないところを描くのがとてもうまい。物語の外枠を捉えつつ、人物描写もそれに合わせて卒なく描かれているので、読み進むうちに自然と物語に入り込むことが出来る。そういう場面ではどちらかというと「柔」な印象があるのだが、一たび人が死ぬ場面となると、いきなり「強」「剛」を通り越して「超ド級」「恐」の筆致に変化する。この明暗、強弱の付け方の妙が作者の真骨頂なのだと思う。



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