「レーニンの墓 帝国最期の日々」 デイヴィッド・ レムニック 著 ★★★★ 白水社

投稿日時 2023-4-8 16:58:39 | トピック: 本棚

著者は当時ワシントン・ポストの記者で、ちょうど、ソビエト崩壊のそのときモスクワに赴任していた。グラスノスチとペレストロイカ真っただ中のソ連を目の当たりにし、幸運にも、その終焉に立ち会うことになった。記者としてこれにも勝る機会はめったにないだろう。その直後に書かれたせいか、推敲のための時間がとれなかったのか、少しまとまりに欠ける感がある。それでも、ゴルバチョフから始まったソ連の変体の模様と混沌は十分に読み取ることができる。

日本版はそれから十数年たって発行された。崩壊後のロシアは苦悩の連続で、それを納める形で出現したプーチンによって、またさらなる変体を遂げようとしている。日本版序文にはその辺の諸々のことに触れている。曰く、クレムリン主体のソビエト主義の復活。これが、ウクライナ進攻にまでエスカレートしていくとは。つくづく、ロシアという国には民主主義というものが根付かないものなのかと思わされた。



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