「蚊トンボ白鬚の冒険」

投稿日時 2010-5-9 6:46:40 | トピック: 本棚

藤原伊織 著 ★★ 講談社

ある日突然、配管工の主人公に蚊トンボが取り付いてしまい、彼は特殊な能力を持つようになる。そして、ヤクザがらみのトラブルに巻き込まれていく。『蚊トンボ』+『特殊能力』の設定がなくても十分面白い筋になったと思う。なぜ『蚊トンボ』でなければならなかったのか、疑問だ。
この本の書評には概して高く評価してないものが多いが、自分はそうでもないと思う。出だしこそ「これは?」と思ったのだが、すぐに引きずり込まれ、あとは一気読み(この意見も多い)。浅田次郎作品を思わせる個性の強い登場人物に笑ってしまった。ただ、浅田節になりきれなく、またサスペンスにしても中途半端という観がぬぐえなくもない。


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