「岳人隊」

投稿日時 2010-5-11 6:23:10 | トピック: 山の本

梓林太郎 著 ★★★ 角川文庫 

山の本を探して当てもなく本屋を彷徨うことはよくある。本書もそんな中から見つけた一冊だった。昭和63年に出ている。当時はネットというものはなく、山の本を見つけるのも一苦労、というか偶然に出くわす場合がほとんど。だから、「あれ、こんなところにあったのか」と見つけたときの喜びはひとしお。梓林太郎は山岳ミステリーを数多く書いているが、その中でもこの作品は良くできている方だと思う。山に題材を追っていくと、だんだんネタ切れになっていき、書き出しだけが山に関することだけで、あとは下界に話が持ち込まれていくというパターンは多い。純粋に山だけに絞って書き込むのは、ミステリーとしては難しいものがあるのかもしれない。本書はわき道にそれることなく山での物語を描いている。B級であはるが、中の上の上、といったところだろう。


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