カリフォルニア・ガール

投稿日時 2010-8-14 5:57:47 | トピック: 本棚

T・ジェファーソン・パーカー著 ★★★★★ 早川書房

前に読んだ『サイレント・ジョー』も面白かったが、本書も期待に違わず楽しませてくれた。想像というか、自分の思い描くアメリカ、1960年代のアメリカ、の物語。それは、いろいろなメディア、映画、本などによって蓄積、醸造されていった自分の中のアメリカだ。
頭部を切断された女性の事件を追いながら、主役となる兄弟の成長とその人間関係が横軸として描かれている。ベトナム戦争、刑事、新聞記者、ロック、宗教、セックス、政治、を題材として1960年代のアメリカを切り取っている。事の顛末は、終盤に登場人物の一人が発する一言、「なんてこった」に象徴される。自分も読みながらそう呟いてしまった。物悲しい結末、えも言えない余韻が残る。



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