「アフガンの男」 フレデリック・フォーサイス 著 ★★★ 角川書店

投稿日時 2010-12-27 19:16:42 | トピック: 本棚

ネット上での書評はかなり手厳しい。「フレデリック・フォーサイスは終わった」と。そこまで言うのはフォーサイス先生への期待が大きすぎることの証。一介の新人がこの作品を書いたなら、「フォーサイスの再来」と評されること間違いない。綿密な取材のもとでの虚実織り交ぜたストーリー展開が彼の真骨頂といえる。本作品でも虚実の整合性は実にうまくとれている。ただ、事実を折り曲げられないせいか、物語性を犠牲にしている感が否めない。すなわち、スケール感や意外性に乏しく、著者のもう一つの持ち味であるストーリーテリングに生彩を欠いている。しかし、アフガン紛争やタリバンそしてイスラム過激派によるテロについて学ぶ導入書としては、もってこいの本だと思う。
にしても、この本は紙質が悪い。


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