「オレたちバブル入行組」 池井戸潤 著 ★★★ 文藝春秋

投稿日時 2011-10-12 18:57:56 | トピック: 本棚

東京中央銀行の半沢が企業悪に対して真っ向から立ち向かう。ニューヒーローの誕生だ。バブル時代に銀行に入社し、その後バブル崩壊とともに安全神話の崩れ去った銀行に勤めるバンカーの物語。

大阪西支店融資課長の半沢がつかまされたのは粉飾がもとで倒産間近の年商五十億円の西大阪スチール。債権が回収できなければ、融資した金は貸し倒れとなる。その責任を押し付けられた半沢は、債権回収に望みをかけ、西大阪スチールに一人乗り込む。相手先の悪だくみや上司の暗躍にも屈せず、同期入社組の助けもあって、粉飾の真相に近付いていく。そこに見えたのは私利私欲にうつつをぬかした企業トップと銀行との癒着の構造。たとえそれが上司であろうと半沢は容赦をしない。半沢は「バンカーとしての矜持とプライドはないのか」と言い放つ。

小説ではあるが、銀行業界のどす黒い内部を垣間見させてくれた一冊であった。世の銀行マンはこの作品をどう読んでいるのだろうか。



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