「恐怖の総和」 トム・クランシー 著 ★★★★★ 文春文庫

投稿日時 2012-6-16 21:04:28 | トピック: 本棚

上下併せて、1600ページ近くの超大作。1991年に書かれ、1993年に邦訳、出版されている。当時は、ジャック・ライアンシリーズの本が出されるのを、まだまだかと、待ち望んでいたのを思い出す。

今、読み返してもさすがだなと感じ入る次第。1991年といえば、湾岸戦争勃発の年、ソビエトが崩壊した年でもある。この作品は東西冷戦終結のあとの微妙に漂う緊迫感を見事に描きだしている。また、その後にくるアメリカとテロリストとの対決、後に歴史が証明することになるのだが、を予言していた本でもある。「国家が後押しするテロリズムは戦争だ」とライアンは言っている。

長編にもかかわらず、全体に少しの無駄も無い。一部のすきも無い。テロリストの原爆製造の過程にいたっては、なるほどと感心させられた。こんなにもたやすく原爆が出来うるものなのかと。軍事テクノ、スパイ、潜水艦、ライアンの葛藤と一言一言、わくわくしてページをめくった。



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