「ロスジェネの逆襲」池井戸潤 著 ★★★ ダイヤモンド社

投稿日時 2012-12-3 18:32:37 | トピック: 本棚

今やバンカー、リーマンのバイブルとなった池井戸潤の作品。もちろんバンカーでなくとも、楽しめる。

東京中央銀行から子会社の証券会社に左遷された半沢が、IT企業の買収劇をめぐって本社と真っ向勝負。銀行側の理不尽なやり口に半沢が牙をむく。「やられたら倍返しだ」

半沢の生きざまは実にカッコいい、明快で痛快だ。半沢の生き方に共感を覚えるのは私だけではないだろう。池井戸潤は会社人間の悲哀を描きつつ、人としてなくしてはならない矜持を登場人物に語らせている。たとえ自分の考えが正しいと思っていても、背中を押してくれる者がいなければ、なかなか前に行けないものだ。もし30年前に池井戸潤と出逢っていたならば、自分にはまた別の人生があったかもしれない。



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