「ラスト・チャイルド」 ジョン・ハート 著 ★★★★ ハヤカワ・ミステリ文庫

投稿日時 2016-9-6 18:44:51 | トピック: 本棚

知らない間にすごいミステリ作家が世に出ていた。

息もつかせぬ一気読みの醍醐味を久々に味わった。深読みすることなく、ただただストーリーに惹かれてページをめくっていった。冒頭の少女の誘拐事件からは想像もできなかった連続殺人に展開していくさまには怖ささえ感じた。それにしては主人公の少年の一途さが際立っている。いったいこの話の落とし所は何なんだ。
その答えはタイトルの「ラスト・チャイルド」に潜んでいたのだが、ちょっとだけクエスチョンマークがあるとすれば、13歳の少年の物語とラスト・チャイルドの物語の融合に若干の「隙」があるように感じた。ラスト・チャイルドの物語だけでも一つの作品になりえただろうに、なぜ少年の物語の結びつけた作品にする必要があったのか。良く言えば「一度で二度美味しい」作品には違いないのだが。



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