本棚 : 「書店主フィクリーのものがたり」ガブリエル・ゼヴィン 著 早川文庫 ★★★★
投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-12-13 5:58:09 (47 ヒット)

本作品はひたすら本を愛する人々を描いた物語。
前に読んだ作品もそうだったが、著者は一途に何かに打ち込む人々が好きなのだと思う(嫌いな人はめったにいないと思うが)。主人公の書店主フィクリーの日常はもちろん本、本、本、本なしでは考えられない。そんな主人公の本に対する愛が溢れんばかりに描かれている。あるいは、著者の心の内を書店主に投影させているのかもしれない。はたして、本の虫たる主人公にどんなドラマが待っているのか、ホップ、ステップ、ジャンプ、とページをめくるごとに面白さが加速されていく。登場人物のプロット仕立てや物語の進行も軽やかで、読んでいる最中からも読後も心あったまる良本だった。

印刷用ページ このニュースを友達に送る