投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-12-13 5:58:09 (38 ヒット)

本作品はひたすら本を愛する人々を描いた物語。
前に読んだ作品もそうだったが、著者は一途に何かに打ち込む人々が好きなのだと思う(嫌いな人はめったにいないと思うが)。主人公の書店主フィクリーの日常はもちろん本、本、本、本なしでは考えられない。そんな主人公の本に対する愛が溢れんばかりに描かれている。あるいは、著者の心の内を書店主に投影させているのかもしれない。はたして、本の虫たる主人公にどんなドラマが待っているのか、ホップ、ステップ、ジャンプ、とページをめくるごとに面白さが加速されていく。登場人物のプロット仕立てや物語の進行も軽やかで、読んでいる最中からも読後も心あったまる良本だった。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-12-13 5:57:31 (9 ヒット)

本作品はひたすらゲームを愛する人々を描いた物語。
ゲーム好きが高じてゲーム製作に打ち込む男女の交流が主題となっている。ここに出てくるのはゲームなしでは生きられない人種ばかり。彼らのゲームに対するひたむきさ、情熱は大したものだ。私はゲームはしたことがないけれど、そんな彼らの生息域が本作品を通して垣間見られる。ゲームとは無縁の私でも楽しく読めたのだから、ゲーム好きの人にとってはたまらない作品だと思う。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-11-28 16:23:19 (17 ヒット)















朝、常願寺川河口からの写真を撮ってから一旦家に帰り、明日から天気がぐずつくというので、とりあえず中山へと車を走らせた。雪が降っても気温は高めで推移していて、道路には全く雪がない。昼飯を持たないので、さっさと登ってさっさと降りてくる。そんなところ。土日にたくさん歩かれているらしく、登山道の雪もまばら。1100の標識までがきつい。登り切ると、いつもの剱が眼前に姿を現す。山頂の積雪は20センチほどか。
お湯とようかんを流し込んで一服。写真を撮って下山にかかる。登りではあまり気にならなかった膝だが、下りになると違和感と痛みを感じる。

登山口起点 登り1時間20分、下り40分 下りにはサポーターかテーピングが必要と考えられる


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-11-15 16:34:29 (24 ヒット)

白水社と言えば、登山者のバイブル「日本登山体系」の出版元。登山を始めたころ、「山渓」や「岳人」という月刊誌もあったが、情報源としての信頼性とバックボーンとしての地位は揺るぎないものがあった。白水社からまず受けるのはそんなイメージ。

それはさておき、本書は様々な背景を持つ英国黒人女性たちの生きざまというか闘いを描いてみせている。何との闘いかというと、それは性差別であったり、肌の色であったり、人種的問題、国籍、幼少期のトラウマ、家族問題、トランスジェンダーとしての苦悩であったりもする。だが、ここに登場してくる女性たちはとても強く、困難に正面から立ち向かっていく。そして、それぞれの勝利の形となって生き抜いていく。それらが、実は大変なことなのに、ウイットに富んだ文体で、さも何でもないことのように淡々と描かれている。それが、読んでいて小気味よい気持ちにさせてくれる。人生楽しんでなんぼだ、また、自分の知らない世界へと誘ってくれたという点からみても、とても面白かった。
それにしてもこの本の値段は4500円、ものすごく高い。いったいどんな人が買うんだろうか。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-10-25 15:53:57 (17 ヒット)

訳者あとがきには、「ノンフィクション小説」とあるのだが、事実をもとにした小説の意だろうか。どうやら、ホロコーストに巻き込まれた著者のルーツを辿る旅であるようだ。

この小説もまた現在、過去のパラレルストーリー、最近はこの手の作品を手にすることが多い。前半は「シンドラーのリスト」を思わせる第二次大戦でのユダヤ人の逃避行。ナチだけではなくフランスも収容所送りの片棒を担いでいたことを、この書で初めて知った。最近読んできた本では良きにつけ悪しきにつけフランスの「大国」ぶりを再認識することが多かったが、本書でも同じ感触を得た。後半は、家族分かれ分かれになった後、一人残された(故に本作品が書かれることになるのだが)作者の祖母の足跡に迫り、現代への繋がりの糸口となっている。
今のフランスの若者はこの「フランスの黒歴史」をどのように読むのだろうか。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-10-25 15:16:54 (18 ヒット)































あわよくば小屋までと思っていたが、体力が持たずリタイヤ。
受傷部の不具合軽減のため、あれやこれやときりがない。今回は、片側だけテーピング二枚とふくらはぎサポーター。ポールを使ってのダイヤゴナル歩行。ポール使いは肩の負担が大きく、心肺機能にも影響大。ただ歩くのとは違って、全身運動の感がある。降りてきてからの感覚はいくらかましになった気がする。しかし、左右を比べれば全く違う。
ブナハリはまだ溶菌、ツキヨタケも健在、ムキタケは見る影もなし。

6時半スタート、10時1950で行動打ち切り


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-10-16 12:25:29 (32 ヒット)

馬場島に着いたときは晴れていたが、登るにつれてガスが湧いて来た。1600あたりから紅葉が始まるが、葉っぱの縁が焦げているものが多々あり。1700付近で左足ふくらはぎがつりそうになったので、そこで行動を打ち切った。

8時馬場島出13時帰還
テーピングは受傷部内側二枚とふくらはぎサポーター。登りはわりと違和感なかったが、下りでは「固まる」感があり降りずらい。三日ほど痛みがあり、柔軟性ももどらなかった。










投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-9-27 12:13:33 (29 ヒット)

ジャンヌ・ダルクのことは「オルレアンの少女」として見知っているだけで、その実態については全く知らないでいた。彼女が活躍した頃というのは、地方地方に貴族がいて彼らがその地域の領主となって、その地区の自治を担っていたようだ。フランスの王様といえども、彼らをすべて掌握してたわけではなく、貴族はその時々の利権によって王様に付いたり離れたりしており、戦う相手は、貴族であったり、王様であったり、他国の貴族あるいは王であったりで、そのたびごとにその地域の統治者がコロコロ変わっていた。日本の戦国時代にも似ていないことはないが、節操というものが全く感じられないのが、日本と違う点。あくまでも本作品から読み解く限りだが。

この作品では混沌とした時代に生きるいわいる正規軍ではない傭兵の生き様を市民の生活と絡めておもしろおかしく描いている。そして、恋心多き主人公のピエールと波乱万丈にとんだジャンヌとの物語。いつもの通り漫画チックな軽い娯楽作品だが、ピエールのその仲間の動向に一喜一憂させられながら読み進めていった。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-9-15 8:15:33 (22 ヒット)

久しぶりに腹いっぱいになったエンターテイメント作品。
現代のハリウッド女優と1930年代から50年代に輝いた女性パイロットというダブルキャスト。時代を超えた二人の女性を巡るパラレルストーリーだが、これがまた二人の心の葛藤もうまく同調していて、物語の展開に目が離せない。そして思いもかけない結末。脇役の設定も手抜かりなく、最初から最後までよく練られた作品だ。分厚い本だが、一気読みした読後感は最高だった。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-9-15 8:14:31 (21 ヒット)

冒頭と末尾は誠に格調高い筆使いだ。特に冒頭に描かれたナポレオンの荘厳な戴冠式からはこれから繰り広げられる物語への期待感が高まる。が、それ以外は作者の真骨頂ともいえる漫画チックな文章。現代風な口語体の表現が空振りしているように思え、違和感を覚える。スケールは大きく、ナポレオンと彼の生きた時代を端的に捉えていて、歴史小説としては秀作だと思う。

ナポレオンの邁進ぶりは、マケドニアのアレクサンダー、三国志の曹操を彷彿させる。とにもかくにも前進あるのみ。三者に共通するのはただ単に偉大な統率者という点だけではなく、三者とも海戦に弱点があり、それを克服すべき手を打っていったということ。

この作品を通して、当時のフランスの立ち位置というものを改めて理解することができた。また、すぐ後に起こるクリミア戦争へのフランスの関りも、歴史的な流れということから十分に納得できるものであった。ただ「クリミア戦争」だけをみていては気付かなかった点である。歴史は突然起こる点ではなく、線の延長戦上にあるということを再認識させてくれた。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-8-19 15:46:50 (24 ヒット)

「フーコーの振り子」ウンベルト・エーコ 著 ★★ 文藝春秋
「薔薇の名前」から始まった、キリスト教、十字軍、トルコ、ロシア関連の作品を一巡して、再びエーコの作品に戻って来た。少しは著者作品に臨む下地ができたかなと思っていたが、あにはからんや、全く太刀打ちできなかった。何を言いたいのかさっぱりわからない、もちろん主題もなんなのか?「薔薇の名前」を凌ぐ難解さ。参りました。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-8-19 15:45:49 (20 ヒット)

直木賞作品だとのことだが、はたしてそれだけの価値、重みがあるかというと、どちらかというとやや軽めの内容。調子は小気味よく、文章も平易で飾らない。物語性もあってエンタメ的な作品。全体を通して音楽でいうところの「編曲」に軽さを感じ、少女漫画を彷彿させるような筆遣い。そこが買われての直木賞という気がしないでもない。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-8-8 16:34:22 (41 ヒット)











暑くならないうちにと、お手軽な中山へ出かけた。
中山登山口に車を止めたとたんオロロが群れを成して車に寄って来る。窓を閉め、車の中で準備して、朝のパンを食べて車の熱が冷めるまで待つ。そうこうしているうちにオロロはめっきり数が減っていた。
汗をかかないように、息が上がらないように、ゆっくりと足を運ぶ。山頂では真夏の太陽が照り付けるが、痛いくらいの陽射しが心地よかったりもする。一本とって、東小糸谷へ下る。アサギマダラが一匹羽を休めている。蝶の個体の大きさは幼虫のときに決まるのだろうか、先日八郎坂で見たときと同じくらい、小さかった。秋に下仁田のフジバカマ畑に来るやつはもっと大きかったような気がする。

下り終わってから、立山川へと足を延ばす。取水口付近のウメバチソウはまだ小さいのか全く見かけなかった。暑さのせいなのか、工事のため土をひっくり返したせいなのか。菊石ではマツムシソウが咲き始めたところ。

車止めまで戻って、靴を脱いで、膝のサポーターを外してびっくり。脛からふくらはぎ周辺がミミズ腫れのようになっている。かゆくはないが、若干の痛みがある。家に帰ってから、ネットで調べてみたら、どうやら浮腫らしい。膝サポーターによって静脈の流れが滞り、皮下に水が滞留し、毛細血管が破れ皮下出血を起こしていたようだ。むくんだ場所を指で押すとへこんだまま戻らない。自己分析だが、たぶん心不全が進んでいること、血小板がかなり減っていること、下肢静脈瘤が進行していること、などが考えられる。対策として、ビタミンCの摂取、牛乳、卵などタンパク質の補給。膝サポーターはしばらく止めて、タイツにするか、脛サポーターを使ってみる。浮腫は三日でほぼなくなり、五日目になると、ようくみないと分からないくらいの跡が残っている。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-8-1 15:34:37 (37 ヒット)























八郎坂から称名滝を撮ろうとするが、なかなかうまい構図に辿り着かない。今回もいつも通りの記録写真となってしまった。弘法周辺の草原の花は終わっていて、キスゲもトキソウも見られない。かえって、道路際の方にいろんな花が見られる。ワレモコウが盛りを迎え、早秋の気分。木道は七曲付近に入るとチシマザサが追いかぶさり、朝露でズボンもずぶ濡れ。マダニが取付きやしないかとおっかなびっくり歩いた。なので、一旦道路に出て追分付近まで歩く。追分までくると、吹く風も心地よく、キスゲやワタスゲもちらほら見られる。一旦松尾峠への道を行くが、花々もぱっとしなさそうなので、引き返して、弥陀ヶ原から餓鬼の田めぐりを楽しんだ。さすがにここまで来ると人出が一気に増える。ワレモコウや他の花々目当てのコモンチョウが乱舞していた。残念なのは、ガスがかかり大日方面の山々が見られなかったこと。帰路、八郎坂の降口まで道路沿いを歩いた。

600mmのテルモスとパック茶では水がぎりぎりであった。カメラの出し入れも工夫が必要。

駐車場起点 往復7時間


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-30 16:48:22 (37 ヒット)
























去年は室堂乗越までの道を歩いたが見つからなかったので、今年は浄土山方面を歩いてみることにした。室堂往復が7580円に値上がりしたのには驚いた。
6時過ぎから立山駅に並び、7時20分のケーブルに乗る。8時30分室堂着。玉殿の冷たい水をテルモスに汲んで出発。ハクサンイチゲは昨年よりやや少ない気もするが、一の越へと向かう道すがらいろんな花が楽しませてくれる。ちょうど太陽が正面に来て、それに輝くミヤマキンポウゲがとても印象的だった。

さて、目的のチョウノスケソウ、なんとか探し出すことができたが、時期的にやや遅かったようだ。かろうじて咲き終わりの花が一つ、これから咲こうとする花芽が一つ、あとはすべて果穂となっていた。また、群生している範囲も狭く、群落の数も数個程度。花が咲いていればもっと見つけられたかもしれないが、登山道を外れるわけにもいかず、それは叶わなかった。昨今の気候変動を思うとき、このままでは、絶滅する日も近いのではないかと感じた。雷鳥同様、保護して移植するなどして個体数を増やす必要があるのではないだろうか。

12時頃、室堂に着くなり雨がパラついてきたので、もっと散策したい気持ちはあったのだが、さっさと帰りのバスに乗り込んだ。
室堂起点 一の越経由一周 3時間30分


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-30 16:43:15 (34 ヒット)

























ユウスゲを見たくて榛名湖まで出かけた。早朝ならば前日咲いたものがまだしぼんでなくて残っているとふんで、早出した。花は最盛期ではないが、それなりに楽しめた。マツムシソウも咲き始め、早秋の到来かと思わされた。
ついでに目指したのが「掃部ヶ岳」。湖畔の駐車場に車を止めたが、取り付きがわからない。道案内に従って林道を歩くこと45分、「杖の神峠」に到着。どうやらそこまで車が入るようだ。標識もある。どちらかというと裏街道だが、道はしっかりしている。この辺の山塊特有の笹に覆われた斜面に道はついている。ヤマビルが心配だったが、杞憂だったようだ。「杖の神の頭」に着くころはもうバテバテ、行程が分からないという精神的な緊張感もあって、疲労度が増す。風も無いし、汗ダラダラになって山頂に立つ。だが、視界も良くないので、即下山。急な道を下る。降り立った場所が、車を止めたすぐ上だった。そこには登山道の標識もあるのだが、駐車場からはちょと上がった見えない位置にある。駐車場には付近の名所の案内看板があるのだが、登山口も標してほしかった。まぁ、おかげでぐるっと一周できたのでよかったのかもしれない。
駐車場起点 杖の神峠まで45分 山頂まで1時間30分 駐車場まで20分


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-29 17:26:26 (27 ヒット)

ヴァランダーシリーズとしては珍しく、個人的なアヴェンジャーを中心に据えた物語。だが、とても悲しく、なんともやりきれない事件である。主人公の警部ヴァランダーが感じた思いを、多くの読み手が感じ取ったことだろう。
世界の富と繁栄とは裏腹に、貧困の連鎖とそれから生まれる哀しい結末。やってられない気持ちになるのはヴァランダーならずとも。やるせなさと虚しさにヴァランダーは深く沈んでいくだけ。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-29 17:24:52 (22 ヒット)

ワールドワイドな実業家で慈善事業にも尽くし、国内外から支持されているスウェーデンきっての著名人。その裏の顔を暴きとる、いってみれば、題材としてはよくあるパターン。だが、この作品でもスウェーデンという国の事情、特殊性が単純なモチーフにひと花添えている。ヴァランダーシリーズの特色はスウェーデンの田舎町で起こった事件でも、それがこの地方だけで完結しないで、今世界が抱えている問題とリンクしているということ。それを、あまり複雑化しないでストレートにスウェーデンで起こった事件に反映させている。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-12 17:31:14 (26 ヒット)

2015年67歳で没したヘニング・マンケルの闘病記というか遺稿集。彼の人生は16歳で高校を辞め、独りスウェーデンを離れ異国の地に旅立つ、というところから始まった。自分が高校生だったころ、そんなことは露も考えてもみなかった。スウェーデンという国はそんなにも精神性が高い若者が存在するところなのだろうか、と思ってしまう。衣食住がまず先に来て、安住の地にしがみついて来た人間には考えられない。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-12 17:30:32 (26 ヒット)

刑事ヴェランダー・シリーズ、第八作。
シリーズを続けて読もうと思っていたが、図書館に在庫がなく、とりあえずあった作品を手に取った。
この作品がスウェーデンで世に出たのが1998年、ネット社会は黎明期から成熟期へと急速に移行しつつあった。そのIT社会の影の部分を描いてみせた作品だが、これまで読んできたヴェランダー・シリーズと比べて手が込み過ぎている感がある。というか普通の推理小説に近寄り過ぎてきた感じ。過ぎたるはなんとかという印象がぬぐえない。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-12 17:29:47 (34 ヒット)

刑事ヴェランダー・シリーズ、第三作。
この作品は前二作と比べてかなりパワーアップ、スケールアップしている。物語の展開も前二作よりは凝っている。ストーリー性をだけをとっても最上級の部類に入るだろう。スウェーデンという国の地政学的な特異性もさることながら、この作品では作者の実体験が十二分に生かされているようだ。「スウェーデンは出る人と入って来る人から成り立っている」ということらしいのだが、作者自身のアフリカ体験がなければこの作品は生まれてこなかったかもしれない。もしかしたら、この作品で描かれている世界を描きたくて、作者は刑事ヴェランダー・シリーズを手掛けたのかもしれない。とても余韻が残る秀作であった。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-12 17:28:38 (30 ヒット)

刑事ヴェランダー・シリーズの第二作。事件の展開がこの作品のキモ。スウェーデンで起きた事件がバルト三国、そしてソ連崩壊の物語へと繋がっていく。今でこそソ連崩壊後の混沌を知っていはいるが、もしこの作品が発表された(1992年)直後に邦訳され手に取っていたら、読み方もちょっと変わっていたかもしれない。まさか、最近読んだ「ソ連崩壊」についての知識が、この作品を読み解く上での重要な鍵となろうとは、偶然の一致とはいえ、不思議な巡り合わせと言わざるを得ない。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-7-12 17:27:53 (32 ヒット)

著者の作品を2冊続けて読んで、ちょっと変わってるな、と思ったので、読み込んでみることにした。
ヘニング・マンケルを一躍有名にせしめた「刑事ヴァランダー」シリーズ、その第一作がこれ。これまでいくつかの刑事ものを手に取ってきたが、それらと何が違うのだろうか。それは決して違和感とうネガティブな印象ではなく、推理小説としての完成度が高いことに加えて、主人公への距離感がとても近く感じられるということだと思う。かといって、やたら深い心理描写があるわけでもない。頭脳明晰なスーパー刑事でもない。布石があちこちに散りばめられているわけでもない。淡々と仕事をこなしていく主人公を追っていく、その描き方がどうも他の刑事ものとは違っているようなのだ。
気になった点が一つ、邦訳にあたっての違和感を覚えた場面がいくつかあった。スウェーデン語は解さないが、日本語的にも変な言い回しが散見された。もちょっと丸く邦訳してもよかったのではないかと感じた。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-6-23 9:29:21 (37 ヒット)

平に向かうにはちょっと中途半端な時期だったかもしれない。
ただ、ド快晴の中、平を歩くのはとても気持ちのよいものだ。木道脇には小さな花々が咲いている。しかし、木道を離れ、湿原に向かうと花の種類は極めて少なくなる。キスゲ、トキソウにはまだ時期が早かったようだ。シノザサの勢いも止まることを知らず、湿地もそのうちシノザサで覆いつくされてしまう感さえある。

登山口起点 平の奥、川を渡って木道が終るまで2時間
















投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-6-6 17:30:03 (34 ヒット)

設定は先に読んだ「イタリアン・シューズ」の10年後となっている。前作ほど主人公と彼を取り巻く連中の特異さに驚かされないが、本作品はちょっとしたミステリー仕立てとなっている。

しかし、ミステリーの謎解きよりも、主人公の内面描写に強く惹かれるものがある。この作品を書いたときの作者、主人公、そして読んでいる自分の年齢が近いことがそうさせているのだと思う。描かれているのは「老化」、人間として避けることのできないこのことにどう向き合うか、そのことがこの物語のテーマ。今、自分のこの歳でこの作品を手にしたのは、偶然とはいえ何かしら意味のある事のように思えてくる。20代、30代の人が読んでもこの心持に同調するのは無理ではないだろうか。彼らはこの作品をどう読み、どう感じるのか、とても気になるところではある。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-6-6 17:26:09 (36 ヒット)

主人公が氷結した海を割って沐浴する、というかなり異質な場面から始まる。自分には全くそんな経験はないのだが、まるで遠い昔そんなことがあったかもしれないという、不思議な感覚を覚えた。主人公の行為に自分を重ね合わせて、俯瞰しているようにも思える。

主人公は世俗から隔絶した孤島に一人住んでいる。氷結した海で沐浴すること自体かなり変わった人物像を想像させるが、描かれている生活様式もそれに輪をかけて変わっている。冒頭で、そんな彼を描くことで、うまく読者を作品の中に引き込んでいる。
だが、物語が進むにつれて登場する人物は、もっと変わった人達ばかり。主人公だけがまともに思えることすらある。北欧のそしてスウェーデンの暮らしに、一風変わっているが、どっぷりと浸らせてくれた作品であった。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-6-6 17:23:25 (36 ヒット)

タイトルで読むか表紙で読むか、この作品はその両方に魅かれて手に取った。昨今、こんな表紙絵の本が当たり前のようになってきた。昔は、タイトルに目がいって手に取ったことも多かった。今は、タイトルと表紙絵で消費者を引き付けるのが通常化している。題名だけよりも表紙絵を加えた方が、より情報量が多く、読み手心をくすぶる作用があるのかもしれない。

さて、この作品、「YAエンターテインメント」とカテゴリー化されている。YAって何?ヤング・アダルトの略らしい。じゃあ、ヤング・アダルトっていうのは・・・ウイキによると「日本では13歳から19歳を読者層として想定している図書館が最も多い」とか。しかし、これが本当にYAなのか?物語は結構入り組んでいて、ヤング・アダルトが読むにしては、ちょっとハードルが高いのではと思ってしまう。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-6-2 18:00:53 (45 ヒット)

体調を整えるには山に登るしかない、歩くしかない。
馬場島に着いて準備をしていたら体が重かったので、サンリズムをコーヒーで流し込んで、ゆるりと出発。東小糸谷の登りも少しだけきつく感じる。コルに着いて一本。1600からの剱展望を期待して登りに掛かる。咲き始めたユキザサが癒してくれる。

だが、1600に出たとき、山々はガスの中。歩いているうちに晴れてくるだろうとの思い一心で先を行く。行けども行けども、視界は効かない。1700付近を歩いていたとき、ふわっと体に風を感じた。目線を登山道から上に移すと、ガスが風に乗って切れ始めている。先を急いでこのまま歩き続けるか、カメラを出そうか迷ったが、ガスの切れ間からの剱を撮りたかったので、結局カメラを出すことにした。だが、なかなか雲がよい位置に来ない。あわててシャッターを切るものだから、構図もなにもありゃしない。そうこうしているうちに、山はまたガスに巻かれてしまった。そんな状況のままで、山頂着。

何にも見えない。さっきカメラを出し手おいて正解だった。山頂付近のミネザクラは、三日ほど前の雨にたたかれたせいか、半分程落ちていた。

帰路、東小糸谷でアサギマダラを見かけたが,ザックからカメラを出しているうちに見失ってしまった。

登山串起点 コルまで45分 山頂まで2時間5分


































投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-5-29 18:25:18 (39 ヒット)

ネット上の書評は概ね高評価だが、自分的には今一つパッとしない。
著者得意のどんでん返しの連続がチープでイージーすぎて、何でもありとなってしまっている。誰か、弟子にでも書かせているのではないかと勘繰りたくもなる。


投稿者: hangontan 投稿日時: 2023-5-15 17:08:51 (45 ヒット)

先に読んだソビエト崩壊の日々を綴った「レーニンの墓 帝国最期の日々」もそうだったが、本書もロシア革命を目の当たりにしたジャーナリストによって書かれている。

本書を手に取るまでのロシア革命の印象は、ツアーリの退位と民衆による社会主義国家の成立、と思っていた。だが、事態はそんな単純なものではなかったようだ。明治維新も決して楽に成し遂げられたものではなかったが、ロシア革命も一筋縄ではいかず、様々な組織(ソヴィエト)、委員会、軍隊での意見の対立や武力行使の結果、最終的にレーニンが率いるボリシェビキに収斂されていったようだ。著者は自らそれらの集会や闘争現場に居合わせて、その一部始終を見ることに(体験する)ことになり、それを臨場感あふれた筆致で克明に描いている。あまりにも多く登場する組織に、最初はついていけないが、また完全に理解するにはこの本一冊では無理、大筋だけを追っていても、ロシア革命のダイナミズムは十分伝わってくる。


(1) 2 3 4 ... 45 »