本棚 : 「Case Officer」
投稿者: hangontan 投稿日時: 2010-5-10 6:14:40 (370 ヒット)

麻生幾 著 ★★ 産経新聞社

この人の作品はかなり期待して手にとる人が多いと思う。分厚い上・下に分かれた長編で、さぞやと楽しみにしていたのは私だけではあるまい。
この手のテロを舞台とした、諜報員の活躍はどうしてもトム・クランシーの作品とだぶってしまい、だぶられたら勝てるわけがない。手法が似ているのだが、人物の描き方にはトム・クランシーに一日の長がある。
古参のテロ『連合赤軍』と現代的なウイルステロのモチーフを取り上げたのまでは良かったのだが、ヒロイン、ヒーローの人物描写はもう少しという感があるものの、他の登場人物にいたっては及第点には届かず、事象の必然性もやや納得しがたい箇所が多々見受けられた。
もう少し完成度の高い内容と期待して読んだ分だけ、満足度は今一だった。

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