本棚 : 「ガンスリンガー」
投稿者: hangontan 投稿日時: 2010-5-11 6:27:17 (345 ヒット)

スティーヴン・キンク 著  ★★ 角川書店
これも困った。ついこの間読んだ「不眠症」よりなお変だ。 
ネット上の書評では比較的好印象の意見が多いのだが、みなさん本当にそう思っていらっしゃるのだろうか。自分にはハテナと感じてしまう。時空を超えた壮大なスケール?といえばそうなのだろうが、ピントを合わせようとすると、次の瞬間には、別の世界に飛んでしまっている。そんな繰り返しが最初から最後まで。謎解きならば最後に全ての脈絡が通じ合うのだが、ここではそうでもない。邦訳のせいもあるのだろうが、文学的表現の多い作品となっているのも、難解とさせている一因かもしれない。高行健の「霊山」を彷彿させる。今の場面と独白と回想のスクランブル。キングは若い頃こんなことも書きためてたんだろうかと思ってしまった。

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