本棚 : 「ローマ人の物語機.蹇璽泙楼貽にして成らず」
投稿者: hangontan 投稿日時: 2010-5-11 6:36:24 (390 ヒット)

塩野七生 著 ★★★ 新潮社

「三国志」や「徳川家康」など、中国や日本の歴史小説はたまには読むが、ヨーロッパの歴史ものというと、そう多くはない。これは歴史小説というわけではないけれど、エンターテイメントの要素たっぷりの本である。もともと、自分にはローマの歴史知識というものはほとんど無く、ギリシャのそれと混合、混同していた部分も多分にある。そこのところを再認識させてくれたのが、自分にとってこの本の一番の功績。史実の羅列だけでなく、そのプロセスがウイットに富んだ文章で描かれている。歴史の教科書もこんな風なら授業も楽しいに違いない。本書は「ローマ人の物語」のほんの冒頭部分で、ローマの興隆とギリシャの衰退、それを比較することによってローマ人の価値観、人生観をうまく言い表している。

印刷用ページ このニュースを友達に送る