本棚 : 「ローマ人の物語III 勝者の混迷」
投稿者: hangontan 投稿日時: 2010-5-11 6:41:54 (372 ヒット)

塩野七生 著 ★★ 新潮社
カルタゴに勝利してもローマに安泰の時期は来なかった。強敵は滅びても、依然として近隣との戦争は絶えなかったし、内部にも常に問題を抱えていた。農政、奴隷、軍隊を中心に様々な制度上のほころびが見え始めてきていた。制度上の欠点といえども、もともとから欠陥があったのではなく、時代の流れの中でそぐわなくなってしまうこともあるのだ。その度、対応する法律を作ってしのいできたのがローマ人だった。しかし、内憂外患がもたらす事象が複雑に絡み合あってついには内紛を起こしてしまう結果となる。それでも、ローマは外敵に対して攻め込まれることもなく、ポンペイウスの登場によってローマは再び力を結束し始める。と同時に地中海の覇権も磐石のものとなっていった。

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