本棚 : 「マンハッタンの怪人」
投稿者: hangontan 投稿日時: 2010-5-12 6:12:03 (379 ヒット)

フレデリック・フォーサイス 著 ★★★ 角川書店

『オペラ座の怪人』をもじったのかとも思ったが、フォーサイス大先生がそんなことするはずもない。読んでみると実に小気味よく、期待にたがわず、とても楽しめた一冊であった。短編と中篇の間とみるが、一分のスキも無い。流石である。
ミュージカル『オペラ座の怪人』は見たことがなく、内容も知らない人でもこの名前だけは聞いたことがある人は多いと思う。小生もその一人。中身は全く知らなかった、この本を手に取るまでは。オペラ座に怪人20面相みたいな盗賊でも現れるかとも思っていた。だが、そうではなかった。この『マンハッタンの怪人』は『オペラ座の怪人』の続編である。オペラ座の怪人が去ってから13年後の物語。ミュージカルの設定が忠実に受け継がれており、悲哀に満ちた怪人の心情もうまく再現されている(と思う)。巻末には、フォーサイスによる『オペラ座の怪人』の原作(小説)の分析が載せられている。これも興味深い。

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