山旅 : 舌下の登高 鍬崎山 2011.5.4
投稿者: hangontan 投稿日時: 2011-5-5 5:29:43 (643 ヒット)







なんやかんやで、楽しみにしていた連泊山行は行けなくなった。ついこの間すっぽかした年末山行のこともあり、自分的にはもう仲間から見放されてしまった感が強い。今度の連休後半は天候も落着いて、チャンス到来だったのに。自由に使える日は今日しかなかった。
スキー場のゴンドラが朝6時から開業しているので、それを使って鍬崎山を目指すことにした。このゴンドラ、朝6時からとは、大いに褒めてあげたい。以前は8時ごろ始発ではなかったか。それに比べて、称名道路の桂台のゲートが開くのは朝7時。せめてあと1時間は早めて欲しい。7時ゲート発では、大日岳までの長丁場、時間に余裕が持てないからだ。5時でもいいような気がする。そうすればもっと大日岳に登る人が増えて、山小屋利用者も増えるのでは。
ぽつぽつと歩いていたが、1700mへの登りの途中から息が上がってきた。しまいには、いつもの動悸と不整脈。これが始まると息が苦しいだけでなく、血流も悪くなり、足がだるく前に進むのが辛くなる。最悪の場合、過呼吸や心臓に細動が走り、動けなくなってしまう。いつの日からか、山に入るとたまにこんな症状が出るようになってきた。パーティーを組んでいる場合には、途中ビバークを強いられたこともある。かといって、必ず起こるというわけでもない。以来、富山の伝統薬『六神丸』を携行するようになった。ゴマ粒くらいの小さな粒なのだが、これを3粒、舌下に入れて溶かしていく。ほのかなセンソの苦味と刺激が口内に広がる。水を飲み、一息入れて、登り出す。急には動悸は収まらないが、プラセボ効果も手伝ってか、精神的には余裕がでてきたようだ。一歩一歩登り続けること、それに結果が付いてくる。
1700mの登りは本当にきつかった。それを過ぎたあたりから、薬が効いてきたのか、呼吸も普通の運動時のそれに戻り始めた。動悸も収まってきた。呼吸を整えさすれば苦しくはない。足のだるさも解消された。それでも何人もの登山者に追い抜かれ、やっとこさでピークに辿りついた。心臓が停止する前に山頂に立てて本当によかった。
一切れのパンをほお張り、すぐに下山にかかる。下りは、いつものごとく、脱兎のごとく。大品山では山女子とそれに群がる山男子で賑わっていた。瀬戸蔵山ではチワワを連れたご婦人がフルートを奏でていた。ゴンドラ山頂駅周辺、子連れの家族客で賑わう。ゴンドラ下の残雪を拾って駐車場まで歩く。いろいろあった今日の山行を振り返りながら、キクザキイチゲの咲くゲレンデを歩く。登り4時間20分、下り2時間45分。今日の獲物、コゴミ、フキノトウ。

印刷用ページ このニュースを友達に送る