本棚 : 「黒い壁」 赤川次郎 著 ★★★ 角川文庫
初めての赤川次郎。
売れっ子作家の作品はどんなものだろうかと思って、手にとった。
“マンガ”みたいなものかと想像していたが、少し違っていた。どちらかと言えばファンタジーに近い。
ベルリンの壁がもたらした悲劇を日本にまで引っ張り、ファンタジー仕立ての推理小説に仕上がっている。そして、小ざっぱりと短くまとめてある。題材を活かせば、書きようによっては、もっと重厚な作品に仕上がると思うのだが、あえてそうしないところが赤川次郎たる所以なのかもしれない。同じモチーフで高村薫が書いたなら、心にずしりとくる作品になるであろう、と思ってみたりする。
次はベストセラーを読んでみよう。