本棚 : 「ジャンプ」 佐藤正午 著 ★★★ 光文社文庫
投稿者: hangontan 投稿日時: 2013-6-21 18:23:32 (415 ヒット)

自分の選ぶ本には偏りがある。たまには息子の本棚から、と思って手にとった。
ネット上では賛否両論の書評が飛び交う。

深夜、コンビニにリンゴを買いに行ったきり、主人公の前から姿を消したガールフレンドを追ったミステリータッチの物語。いったいどこへ行ったのか、どうしていなくなったのか、事件にでも巻き込まれたのか、そういう読み手の心の内をしっかり掴んだ物語の運び。軽妙な文体は読みやすく、予定調和にも陥らず、助長的なところもない。論理的破綻もなく中心線が通っている作品だ。

話の展開が全く読めない。もしかしたら、これは「LOST」なのかな、と思わせられたことも。主人公の追跡劇とガールフレンドの失踪劇が交わるまでの物語がうまく作られている。

印刷用ページ このニュースを友達に送る