本棚 : 「花酔ひ」村山由佳 著 ★★★ 文藝春秋
投稿者: hangontan 投稿日時: 2013-8-20 5:18:19 (411 ヒット)

村山由佳の小説は初めてだ。パラパラとページをめくってみると、なにやらあやしげな場面が・・・。
東京の老舗呉服店と京都の葬儀屋の両夫婦との間に繰り広げられる官能的な世界。冒頭に出てくる着物に関する蘊蓄はなかなか興味深い。先に宮尾登美子の「錦」を読んでいたせいか、すんなり入って来た。
エロ小説といえばそれまでなのだが、性愛への受け取り方がやはり男性作家のそれと若干ニュアンスが異なる。なんとなく男側の立ち居振る舞いに草食系な匂を感じてしまう。
先に数冊読んだ中村文則の作品よりかははるかに印象に残る作品であるのは間違いない。やっぱり小説は読まれてなんぼ、おもしろくてなんぼ、だろう。

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