本棚 : 「シャイロックの子供たち」 池井戸潤 著 ★★★ 文藝春秋
投稿者: hangontan 投稿日時: 2013-11-1 18:16:12 (438 ヒット)

半沢直樹のテレビ版を見てからは初めての池井戸潤。
テレビドラマもかなりおもしろかったので、本で読んでみるといくらかその残像が残っているかと思ったが、そんなことは全然なかった。やっぱり池井戸潤は読んでおもしろい。
今回の舞台は、東京第一銀行長原支店。ここでも銀行の内側がえぐりとられている。一見、短編集のような構成だが、挿話の一つ一つに主人公があり、それぞれの人生がある。そしてそれらが有機的に見事に結びついている。バンカーの矜持と悲哀を描いてみせる、それこそが池井戸潤の真骨頂だ。それを十二分に堪能させてくれる作品となった。

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