本棚 : 「屍者の帝国」伊藤計劃 ・円城塔 著 ★★★★★ 河出書房新社
投稿者: hangontan 投稿日時: 2013-11-8 17:45:05 (433 ヒット)

伊藤計劃がプロローグを書いて、その後を円城塔が補筆し作品として完成させている。
といっても、伊藤計劃が書いたのは冒頭の30枚程度で、作品全体からすればほんのわずかにすぎない。ただ、伊藤計劃がこの作品の構想中にどれだけ円城塔とセッションを重ねていたのか、そこのところが気になる。伊藤計劃への追悼という意味合いもあるのだろうが、彼の意志を継いで、彼の分も、と綴っていったに違いない。

小説としてはとんでもなく面白い。読んだ後も、その作品の中の世界観が大きな球のようになって、いつまでも漂っている。小説の範疇としてはSFに入るのだろうが、それよりもマジックリアリズム(もっと細かい分野でいえばスチームパンクなるものがあるらしい)が色濃い作品だ。

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