トピック&お知らせ : タイの配置薬事業
投稿者: hangontan 投稿日時: 2009-11-18 18:07:35 (709 ヒット)








2008年からタイでも試験的に配置薬事業が始まった。タイの国立病院では無料で医療サービスを提供しており、国民の多くが風邪や下痢など 軽い症状でも安易に国立の病院や診療所にかかることから、医療費の膨張が課題となっている。タイ政府はその打開策として伝統医療の有効利用も視野に入れた「プライマリー・ヘルスケア」(基本的な医療) の充実を図ることとなった。その一役を担うべく富山の置き薬方式が採用された。伝統医療普及のための置き薬事業はモンゴルでも大成功を収めている。タイでは2つの国立大学が事業の有効性を分析。利用頻度や 医薬品の医学的な効果、代金の回収率、医療費の削減にどの程度役立ったかなどを検証することになっている。
事業発足から1年が経過し、タイ保険省職員と実際に配置薬現場に携わるスタッフが本場の配置薬システムの研修のため富山を訪れた。そこでこれまでの経過報告があった。タイでは「ヘルスボランテア」という制度が存在して、そこのスタッフが住民の「プライマリー・ヘルスケア」にあたっているとのこと。今回配置薬の実施部隊となるのはその「ヘルスボランテア」。公民館みたいな場所で配置薬を処方し、代金を回収するとのこと。
タイの薬箱をみせてもらった。日本で今主流になりつつあるチンケなプラスティックの容器と違って、かなりインテリア性のあるものだった。イグサに似たものを編んだものだろうか、丈夫に出来ている。薬の取り出しは抽斗ではなく、上部の蓋を開けて行う。これも斬新なものを感じた。所変れば品変るか。薬のパッケージも目を引くものがある。東南アジアテイストというか南国風というか、トロピカル色が際立っている。パッケージの中はおなじみのカプセル剤。伝統薬が詰め込まれているらしい。タイではマッサージも医療として使われているため、そのためのオイル瓶も入っている。メンターム容器のような小瓶に入ったものを開けてみると、カレーのスパイスのような匂いがした。タイ語で表示されているので成分は分らないが、胃腸薬の一種なのだろうか。パッケージには有効期限も表示されている。2553年とある。これは???。聞くと、釈迦暦とのことであった。納得。タイでは、公文書では釈迦暦の使用が定められていることを後で知った。

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