富山のくすりの中の生薬 : アロエ
アロエ属の植物はアフリカのサハラ砂漠以南、ソマリア半島沖のソコトラ島、アラビア半島に分布しています。古代エジプトで紀元前2〜3,000年前から下剤として使用されていたようで、紀元前1,500年頃のエバース・パピルスに記載され、また1世紀頃の『ギリシア本草』にも収載されています。特にアロエ・ベラはアラビア半島原産で、早くに地中海沿岸や他の亜熱帯地域にもたらされ、インドから中国に渡り栽培されていました。
アロエはアラビア語の「苦味のある」意味の言葉で、唐代に中国に渡り、頭音の「ア」を落とし「ロエ(蘆薈)」と発音されました。日本に渡ったのは鎌倉時代で、漢字を誤読した「ロカイ」が通称名になりました。
植物の特徴
アロエ・フェロックス 大型の木本性多肉植物で、高さ6m。葉はロゼット状に30〜50枚付き長さ1m、付け根の厚さが10僂砲發覆蠅泙后J娜鑄瑤半絏写未涼羆部に鋭い刺があります。円すい状の総状花序を腋生し、帯緑黄の管状の花を多数つけます。
生 薬
葉を切取り、流れ出る液を煮詰めて凝固したもの。黒褐色の不整の塊で、破砕面はガラス様、特異な臭いがあり、極めて苦い。成分はバルバロイン、アロイノサイドA,B、アロエエモジン等。
薬効および使用法
家庭薬に苦味健胃、下剤として配合されます。苦味健胃剤としては1日3回0.02〜0.05gを服用します。下剤としては1日3回0.05〜0.3gを服用します。漢方処方としては更衣丸(便秘、睡眠時不安)等に配合されます。
江戸時代に渡来し、「医者いらず」といわれたキダチアロエは生の葉汁を消化不良や胃炎、また火傷、傷、虫刺れに外用します。