富山のくすりの中の生薬 : カンゾウ(甘草)
投稿者: hangontan 投稿日時: 2007-1-13 14:04:16 (1239 ヒット)








スペインから中央アジアを経て中国北東部に広く分布し、古くから薬や甘味料として利用される重要な植物です。4千年以上も昔から、メソポタミアやエジプトで利用されていたことが粘土板やパピルスに記されています。中国でも神農本草経の上品として上げられ、ヨーロッパでは古代ギリシアやローマでも使われました。
わが国においては、奈良時代に渡来し、奈良の正倉院に保管され利用されていました。植物の渡来は室町時代の末期に武田信玄により山梨県で植えられた記録があります。これは江戸時代に引き継がれ、山梨県塩山市にある「甘草屋敷」に現存しています。

広い地域に分布するため、当然多くの種に分かれています。中国からの輸入は主に漢方薬に配合され、「甘草屋敷」の甘草でもあるウラルカンゾウ(東北甘草=中国東北各省、河北、山西、内蒙古産)、ナンキンカンゾウ(西北甘草=甘粛、新疆産)と成分抽出用の新疆甘草の3種です。一方ヨーロッパのスペインカンゾウは西北甘草の基本種で、薬としての使用はもちろんのこと、タバコやリコリスキャンデーなどに大量に消費されています。他に、スペインカンゾウの変種にはロシアカンゾウ、ペルシャカンゾウ等数種あり、イラン、アフガニスタンから輸入され、成分抽出用に使われています。

生  薬
 掘上げた根、根茎を30〜120僂遼西にして、天日乾燥します。これを長さ別に束ねて出荷します。太さが揃い、外皮が緊密で、紅褐色、質が堅く、断面が黄白色のものが良品です。茎は40〜70僂如∩澗里肪嗣咾琶い錣譴討い泙后M佞牢饋羽状複葉、小葉は9〜17枚で、卵形、卵状楕円形、先端は急に尖ります。6〜7月に淡赤紫色の花をつけます。スペインカンゾウは小葉の形態が楕円形〜長楕円形で先端が尖りません。ショ糖の150倍の甘味があるトリテルペン配糖体のグリチルリチンを主成分とし、他に数種のフラボノイドを含みます。
 
薬効および使用法
 漢方薬では重要な生薬で、緩和、鎮痛、鎮咳、去痰薬としてかぜ薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮痛鎮痙薬、鎮咳去痰薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬とみなされる一般漢方処方210処方中149処方に配合されています。しかし、輸入している甘草の大半は甘味料かグリチルリチン抽出用に使われています。
 甘草を長期又は大量に服用すると低カリウム血症、偽アルドステロン症、浮腫、頭痛等の副作用を伴うことがあるので服用には注意を要します

^唾羯供^澆里發燭譟⊃欲不振、胸やけ。
乙字湯 いぼ痔、きれ痔の痛み。
3觝湯 かぜの初期、鼻かぜ、かぜによる頭痛・肩こり。
す畫瓢供^瀋欧亮紊た佑里ぜの初期。
ョ虧甘草湯 こむらがえり又は筋肉の痙攣。
小柴胡湯 かぜの後の疲労感・食欲不振。
Ь青竜湯 くしゃみ、鼻水、鼻炎。
大黄甘草湯 便秘。
当帰芍薬散 冷え症又は冷えを伴う月経不順、月経痛、更年期障害、産前産後のめまい、頭重、肩こり、腰痛、又はむくみ。
人参湯 冷えを伴う胃腸虚弱、胃もたれ、下痢、吐き気又は胃痛。
平胃散 胃のもたれ、消化不良又は食欲不振。
麻黄湯 ふしぶしの痛む初期のかぜ。

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