投稿者: hangontan 投稿日時: 2007-3-11 9:07:08 (1436 ヒット)








和漢薬が中心の生薬の中で比較的良く使われる西洋生薬の一つです。ヨーロッパのピレネー山脈、アルプス山系、アペニン山系、カルパチア山系から小アジアのタウルス山系に至る広い地域の亜高山帯に分布する植物です。名前の由来はディオスコリデスの「ギリシャ本草」(40〜90年)に紀元前2世紀頃のエジプト・イリリア国の王ゲンティウスがこの薬効を発見したことに由来し、温性で収斂作用があり、痛み、裂傷、肝臓病、胃病や眼の炎症に用いることが記載されています。2世紀頃からは痛風の薬としても利用されていました。ゲンチアナの日本語読みはリンドウ属(gentiana)の学名をそのまま音読みしたものです。



植物の特徴
ヨーロッパの標高1,000m前後の亜高山帯、石灰岩質の半陰地または湿地に自生し高さ1〜1.5mにもなる大型の多年草で、とても日本のリンドウと同属とは思えない植物です。根生葉も大型で、長さ30僂旅卵形になり、花冠は紫色ではなく黄色花を上部の葉腋に輪状に付けます。根も大型で長さ50〜60僉太さ4〜6僂寮弧瑤しばしば見受けられます。

生  薬
栽培した場合は5年以上で収穫します。野生品の場合は10年以上の物を採取しているようです。採取後土付きのまま堆積し、自然発酵させた後乾燥したものは赤褐色帯び、独特の芳香がありますが薬用にはあまり用いられません。堀上た後細い根を切取り、水洗後速やかに乾燥したものは、淡黄白色で香りが薄く、苦味の強いものに仕上がります。薬用には後者の方が適しているようで、味が始めは甘く、後に強い苦味を感じるものが良品です。
成分は苦味配糖体のゲンチオピクロサイド、アマロゲンチン、ロガニン等。キサントン類のゲンチシン等を含有しています。

薬効および使用法

苦味健胃薬として粉末を食欲不振、消化不良に配合されます
ヨーロッパでは民間薬として解熱、下剤、利尿、鎮痛に用いることもあります。
染料としての利用もあります。

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