富山のくすりの中の生薬 : ブクリョウ(茯苓)
投稿者: hangontan 投稿日時: 2007-4-24 18:03:47 (1534 ヒット)








菌類を用いる生薬はそんなに多くありません。中でもサルノコシカケ科に属するものがほとんどで、猪苓、茯苓、雷丸、霊芝などがあげられます。
 茯苓は枯死したマツの木の根につき、菌核を形成するもので、子実体(キノコ)も地下部にあり地上に姿を見せることがありません。野生のものの採取は熟練を要します。松林の状況を的確に把握し、先端が鉄製でT字型の杖(茯苓突き)で地中を挿し、菌核を突き挿した時の感触と先端に付く白い粉上のものの確認、独特の臭いによって判断し、掘取ります。
 現在では日本国内の生産はほとんど無く、中国および韓国からの輸入に頼っています。最近では中国産の栽培品が価格が安いため輸入の大半を占めるようになってきました。現在でも約800tが消費される重要な生薬ですので、国内での栽培が待たれます

植物の特徴
クロマツやアカマツの枯死、または伐採してから3〜5年経った株の15〜30僂里箸海蹐防嫦紊靴得個垢靴泙后I堋蠏繊塊状の菌核で、大きいものは一抱えほどにもなります。外面は暗褐色〜暗赤褐色で、内部は白色〜やや赤色を帯び、特異な臭気があります。子実体は菌核の外皮に付き、巣状の管孔を密生し、その内部に子実層を作ります。この有性世代を見ることはめったにありません。

生  薬
夏から翌年の春にかけて採取し、表面の土を洗浄した後、表面が柔らかくなるまで通気性のないものに包んで表面に水分を出させます。外皮を削り取り、内部の白い部分を角状に切り取って陰干しします。質が重く、白色で、粘り気の強いものほど良品です。
 成分はパキューマンなどの多糖類、四環性トリテルペン酸のエブリコ酸やエルゴステロール等を含有します。

「中薬志」より
ものに包んで表面に水分を出させます。外皮を削り取り、内部の白い部分を角状に切り取って陰干しします。質が重く、白色で、粘り気の強いものほど良品です。
 成分はパキューマンなどの多糖類、四環性トリテルペン酸のエブリコ酸やエルゴステロール等を含有します。

薬効および使用法
 利尿薬、尿路疾患用薬、精神神経用薬、鎮うん薬、鎮痛薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬、鎮吐薬、保健強壮薬などの漢方処方に繁用されます。
桂皮茯苓丸 月経不順、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、頭痛またはめまい
五苓散 のどのかわきまたは尿量減少を伴う吐き気、下痢、腹痛、頭痛、またはむくみ。
E帰芍薬散 冷え症又は冷えを伴う月経不順、月経痛、更年期障害、産前産後のめまい、頭重、肩こり、腰痛またはむくみ。
と味地黄丸 老人の冷えを伴う腰痛、手足のしびれ、むくみ又はかゆみ。
ト床童朴湯 のどのつかえ感、せきまたはしわがれ声。

【関連リンク】 幻のキノコ ”ブクリョウ” を探すツアー

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