サプリメントの話 : おなかの調子を整える食品 オリゴ糖ってよく聞くけど?
投稿者: hangontan 投稿日時: 2006-11-19 16:50:13 (1086 ヒット)

動物の腸管内には、多数の細菌(腸内細菌)があたかも叢(くさむら)の如く生息しており、これらを腸内細菌叢(腸内フローラ)とよぶ。ヒトの糞便(固形成分)の約1/3は腸内細菌で占められている。小腸と大腸の腸内細菌叢には400種類100兆もの細菌類や真菌類が生息している。小腸には、腸球菌、乳酸桿菌、バシラス菌、大腸菌等が生息する。大腸にはバクテロイデス、ベイヨネラ菌などの嫌気性菌が多く、その他大腸菌、プロテウス菌、アルカリ糞便菌、肺炎桿菌なども多く、またカンジダ菌や真菌類、ウェルシュ菌、破傷風菌、黄色ブドウ球菌なども常在する。


有害菌のウェルシュ、ブドウ球菌などの有害産生物質は、スカトール、インドール、フェノール、アンモニア、ニトロソアミン、硫化水素、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、ヒスタミンなどで下痢、便秘、肝障害、発育障害、発癌、アレルギーなどの原因となる。また病原性菌の毒素は各種感染症や食中毒を引き起こす。
 
バクテロイデス、大腸菌などの中間型は、ビタミンB群を合成、消化吸収の補助、外来病原菌や腸内有害菌の抑制をしている。

一方、乳酸菌やビフィズス菌はなどの有用菌は、生成する乳酸が有害菌の増殖を抑えてまた免疫機能刺激の働きもあり健康に寄与している。「お腹の調子を整える」特定保健食品の機能は、これら有用菌を増やすためであり、.リゴ糖、⊃物繊維、F酸菌などの種類がある。これらは特定保健食品指定全体の半分以上を占める。

■オリゴ糖
オリゴ糖は、酵素を使って3〜10個の単糖を結合したもので、ヒトの消化液には耐性の難消化性の構造に設計してある。腸内細菌が分解すると、乳酸や酢酸などの代謝産物をつくり、乳酸菌などの住みよい酸性環境に成る。

■食物繊維
食物繊維は不溶性と可溶性のものに大別できる。不溶性のものは便の量を増やして大腸の蠕動運動を刺激して便通を改善する。その結果大腸がんのリスクを大幅に改善する。可溶性のものの機能は、オリゴ糖とほぼ同じで、腸内細菌は醗酵して酢酸や乳酸を産生することにより、環境を酸性にして腸内フローラを改善する。

■乳酸菌
 乳酸菌が最初に牛乳から発見されて150年になる。それが健康によいことが明らかになったのは、1900年ノーベル賞受賞者のE.メチェコフがブルガリヤに長寿者が多いのは彼らが毎日好んで食べるヨーグルトに注目してからである。

特定保健食品の乳酸菌の容器に、プロバイオテックスと表示されている。これの定義は、「腸内フローラのバランスを改善することにより宿主に有益な作用をもたらす、生きた微生物」(フラー、1989)である。条件は、^汰汗が保障されている(食経験)、△發箸發板夏皀侫蹇璽蕕琉谿である、宿主に明らかな有用効果を発揮する、た品などの形態で有効な菌数が保持できる、グ澑奸γ製舛覆匹紡僂┐督夏發謀達できる、δ夏發覗殖できる、そしてО族舛任つ容易に取り扱えるなどである。

乳酸菌の新たな機能
乳酸菌は、整腸作用では研究し尽くされた感があるが、新しい機能がわかってきた。アレルギーを改善する効果が菌株ごとに活性が大きく異なることに眼をつけてキリンビールが異業種から参入した。アレルギーに関係するヘルパーT細胞(Th)にはタイプ1(Th1)とタイプ2(Th2)があり連動しており、バランスが崩れてTh2が過剰になるとアレルギー症状がおこるという。小岩井乳業の保存乳酸菌株のなかからTh2改善効果から選ばれたのがKW乳酸菌を含む商品である。キリンウエルフーズが健康食品[ノアレ]、キリンビバレッジから乳酸菌飲料や小岩井乳業からヨーグルトで売り出した。このアレルギー対策乳酸菌食品に、従来からの乳酸菌食品会社、カルピスが[インターバランスL98]で迎え撃った。選抜された乳酸菌L92株は、[花粉症への効果はKW菌と比べてL98菌の方が高い]と同社は対抗意識を隠そうとしない。

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