徒然書き : 「ロング・グッド・バイ」 その後・・・
投稿者: hangontan 投稿日時: 2011-5-1 18:09:43 (546 ヒット)

息子から手渡された二冊の本「高熱隧道」「錦繍」はとても面白かった。今度は息子の方から何か面白い本はないかと尋ねてきた。迷うことなくチャンドラーの「ロング・グッド・バイ」を紹介した。近々に読んだ中ではなかなかの出来だったからだ。はたして自分が味わった思いを息子はどう感じるのだろうか。そこに興味があった。数カ月して、息子が「あの本読んだよ」との返事。「うん、面白かった」「あれは村上春樹が自分の訳し方を試したかったのだと思うよ」そこまで斜めに読まなくてもよいと思うのだが、息子もまた私と同じような捉え方をしていた。つまり「あれは村上春樹の『ロング・グッド・バイ』なのだ」と。邦訳物を読む楽しみの一つに、オリジナルをネイテイヴはどう読むのだろうかと想像しながら読むということが挙げられる。それを息子も感じてくれたのだと思う。
次に息子に読んでほしいと思っているのは、中国人が英語で書いたものを邦訳した「自由生活」(ハ・ジン著)。これもなかなか読みごたえがあり、いろいろと考えさせられた作品だ。将来を模索する息子の年頃にはぜひお勧めの一冊である。

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